五反田ってなんとなく中途半端な街の様な気がして仕方ない。
ビジネス街なのは間違いないけど「五反田行ってきたんだよね」って言うと高確率でいわゆる大人のお店に行ったと思われる。
五反田には何気に都心でも最大級の売り場を誇るUNIQLOがあったり小さな個人店があったり、何というか背伸びしていない、等身大な感じがする。
そんな五反田だけどランチを食べようとすると大抵困る。
食べる所はいくらでもあるけど、どうせ五反田に居るなら行ったの事のない店を開拓したいところだ。
五反田は五反田で有名なお店は多い。ミート矢澤とかその筆頭だと思う。
確かにめちゃくちゃ美味しそうだけど、かなり混雑するので平日のランチでは避けたい。
そしてミート矢澤のとなりにとんかつ屋があるのは意外と知られてない。
「あげ福」はミート矢澤の系列店で名前通りあげものメインのお店だ。
ランチではチキンカツの他に「和牛メンチカツ・有頭エビフライ・上ヒレ」の中から1品を選べるチキンカツコンボが魅力的。
揚げ物の売りでもある衣がサクサクなのはもちろんだけど、感動したのはタレの種類の多さ。
タルタル・和風・トリュフ塩・黒七味・とんかつソースと盤石の布陣。
とんかつソースやタルタルソースと言った定番に加えトリュフ塩や黒七味と言った変化球も楽しめるのが嬉しい。
チキンカツはサクサク・ふわふわ。
揚げ物なのに油がしつこく無く、さっぱりとした食感ながら、肉を食べているジューシーさも楽しめる。
そして今回一緒に頼んだのが上ヒレ。
赤身の肉をさっと揚げ、外はサクッとしつつ中はジューシーな歯ごたえと圧倒的な肉の味が楽しめる。
強くオススメしたいのがこの上ヒレ1切れにトリュフ塩全部のっけ、だ。
トリュフ塩自体、こざらに分けて提供されるので無限に掛けられる訳では無い。
どうせなら惜しげもなく本丸に使って堪能してやれ、と思って上ヒレの1切れに全部かけて食べたら世界が変わった。
思わず「おお!」と声が出そうになるくらい美味しかった。
今年食べた肉の中では間違いなく1番旨い。
ここ数年食べた肉の中でもかなり上位に来る旨さだ。
塩のしょっぱさが赤身の残る肉の旨さを引き立て、そこにトリュフが上品な風味を加える。
上ヒレは二切れあるのでトリュフ塩のお代わりが出来たら絶対にしたい。
ただ、黒七味や王道のとんかつソースも捨てがたい。
美味しい物を更に美味しくする為に何をかけようかあれこれ迷うのは幸せな時間だ。
お肉は上ヒレとチキンカツの2種類なのにそれを調味料がまるでファッションショーみたいに彩っている。
肉自体の旨味もそうだけど、調味料次第で色々な味が楽しめるあげ福は揚げ物界の「五反田コレクション」の様だ。
個人的にはランチで食べて、そのまま晩御飯にもイケる自信がある美味しさだった。